ソーシャルワーカーは、人や社会を信用していない人を相手にすることもあります。
「ほっといてくれ」「お前に何がわかる」「誰も信じれない」「話すことはない」
といった言葉や、時には暴言を吐かれることもあるそうです。
そんな時にどう対応するのか?
おそらく、ケースバイケースですよね。
学校でもある程度は想定してシミュレーションするでしょうが、こちらの人格を否定するほどのパターンはやらないでしょう。
そんな時の対応こそが、ワーカーとして、人として試されるのではないかと考えます。
教育実習でも模擬授業でも、ある程度ガラの悪い生徒を想定して演じますが、いじめ案件や暴力沙汰まではシミュレーションしません。
そうなる前に手を打つということと、そうなったら管理職対応ってことかもしれません。
ワーカーの場合もそうなる前に手を打つべきなんだとは思いますが、
基本的に受け身というか、困ってる人が助けを求めてきて初めて動く場合が多いのもワーカーの特徴です。
たとえば、通報があって家庭内暴力を知る、ネグレクトを知る、ヤングケアラーだとわかる、認知症の酷さを診るなど、
助けを求めない人もたくさんいるわけで、そこで初めて状況を知ったものの、重症化が進んでいた場合、
上記のような言葉を浴びせられたり、何から手をつけていいのかわからないってこともあります。
信用してない相手に正論を論理的に話しても聞いてもらえないでしょうし、理解してもらえません。だって信用してませんから。
だから、情に訴えるという手を私は考えました。
働くことができず財産が底を尽き、妻や家族にも出ていかれ、自暴自棄になっている一人暮らしの男性の保護に向かうが、
信用してないから帰ってくれと諦め口調で言う相手に、どう声をかければいいか。
正解はないですし、この情報量だけでは判断できませんが、
心を開いていない相手に対して、「自分を変えましょう。未来を見ましょう」とか「生活保護や就職支援制度がありますよ」と
理論立てて説明しても響かないどころか、説教じみて鬱陶しいと思われるでしょう。
「お子さんに会いたくないですか?きっと娘さんはお父さんに会いたいはず。会って本心を聞いてみましょう」
見えない未来ではなく、経験した過去をやり直しに行くことで、何かが見えるかもしれないのと、
過去に行くことが今を変えるきっかけになるという想いを伝えました。(ロールプレイで)
「心の琴線に響きました」(ほんとかよ?)
そう講評いただけて自信になりました、