20日目 精神障害法の歴史

精神障害と聞けば障がいで大変なんだなってイメージがあり、

精神疾患と聞くとしんどい病気なんだなってイメージがある。

精神分裂と聞くと多重人格で危険かもなってイメージをもつ。

統合失調症と聞いてもよくわからないイメージでした。

今でこそ学習をして意味を知りましたが、言葉の持つイメージに囚われるのは危険だと感じました。

障害者を障がい者と表記しようとするのもわかります。漢字のイメージが誤解を生みますよね。

冒頭の精神障害も精神疾患もほぼ同じ意味で、精神疾患に苦しむ障害者が精神障害者です。

精神分裂は統合失調症の昔の呼び方です。

幻覚や幻聴など、周りにいる人間からは精神が分裂してるように見えたから、こう呼ばれていたそうです。

時代とともに病気に対する理解も進み、社会情勢も鑑みて呼び方が変わっています。

法律も同じで、日本で初めて精神保健に関する法律が制定されたのは、1900年に精神病者監護法です。

私宅監置といって、精神病者を監禁することを認めていました。

要は、何するかわからんから閉じこめて監視しておけってことですね。まるで獣の如く人権などなかったわけです。

第一次大戦後に精神病院法ができますが、精神病者監護法と併用されたことで私宅監置は継続されました。

第二次世界大戦後の1950年に精神衛生法が制定され、ようやく戦前の二法が撤廃、私宅監置も禁止されて精神障害者に人権が認められました。半世紀もかかったわけです。

それでも実態は長期入院で薬漬け。退院しても回転ドアの如く再入院の繰り返し。

世界保健機関からも警告を受けます。

病院では集団暴行を受けて殺される患者も出たり、人権を無視した国連から調査が入ります。

一連の悪い出来事を受けて1987年に精神保健法が制定され、精神障害者の人権を擁護、彼らの社会復帰を進める制度が整っていきます。

作業所が各地に造られ精神障害者の存在が徐々に社会に出てきますが、差別や偏見も表面化してきます。

1993年に障害者基本法が制定され、精神疾患が正式に障害認定されました。これにより医療分野だった精神障害は福祉分野に入ります。

1995年に精神保健福祉法ができて、障害者手帳や社会復帰施設の類型が整い、社会適応訓練事業も法定化、公費の保険優先化など一気に前進しました。

そして1997年に精神保健福祉士が国家資格化しました。

2002年の改定で居宅生活支援事業がスタートし、地域で支援していくかたちになっていきました。

池田小事件を契機に医療観察法が制定され、2004年に発達障害者支援法、翌年障害者自立支援法が成立。精神分裂病が統合失調症になりました。

そして2012年に自立支援法は総合支援法に名前を変え、翌年の精神保健福祉法改正で保護者の義務が緩められました。

障害者本人はもちろん、家族や親族の人権・幸せに生きる権利をより守られるようになりました。

ここ25年ほどで精神障害社に対する法整備は進みました。

しかしその変化に日本人の理解が追いついていないのが現状です。

障害者理解・共生共存の教育を義務教育でもっと進めていくべきだと痛感しております。

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